2023 Spring & Summer

‘I AM THE FORM AND I AM THE HOLLOW’

23年春夏コレクションは、英国を代表する女性彫刻家、バーバラ・ヘップワースの生涯と作品にオマージュを捧げている。

先日訪れたヘップワース美術館・彫刻庭園で、鮮やかな青空と緑豊かな自然の中に佇むヘップワースの有機的な曲線のフォルムに大きな衝撃を受け、今コレクションは、有機的なテクスチャーで構成、そのほとんどが透けて見えるように織られ、フェミニンな感性を表現している。

また、ジュート、シーグラス、ラフィア、紙、ヘッセンなどの天然素材で美しさや弾力性を表現し、素材をねじり、巻き、複雑に織り込むことで彼女の特徴である左右非対称のキャップ、バケットハット、ボーターに独特な質感とフォルムを生み出し、モダニストの女性のためのデザインに作り上げた。

黒と白の繊細な花のアップリケは、つまみ上げたり、シャーリングしたり、重ねたりすることで立体的な彫刻のような効果を生み出し、彼女のアイコンであるヴェールやリボンは女性らしさを際立たせ、男性的なフォルムやシルエットに融合している。

紙製のバケットハットや海草の帽子には、自然素材の不完全な美しさが現れ、コーンウォール地方の海岸の険しい断崖を表現。
また、このコレクションに見られるように、伝統的なクチュールの手法を見直し、革新的な新しい帽子技術を開発した。

持続可能性とロングユーズは、ブランドの使命と理念の礎となっており、今回のコレクションでは、ルートンのサプライヤーと密接に協力し、ヴィンテージの原材料をアップサイクルして新しい命を吹き込み、Gigi（ヴェール付きベースボールキャップ）や、Floe（ヴェール付きベレー帽）などの多くのアイテムに100%オーガニックコットンを使用。

セント・アイヴスにあるヘップワースの美術館を訪れてインスピレーションを受け、このコレクションを制作することになったMISAは、かつて「私は毎日何か仕事をしなければならないと決めた」と語ったヘップワースに共感し、彼女の芸術活動を贅沢や選択ではなく、自分の生き方にとって必要なものとして位置づけている。